用語目次
株式・為替用語解説
SQ(特別清算指数)
SQ(特別清算指数)とは、スペシャルクォーテーションの略です。先物取引最終日には、決済までの日数が0になりますので、
上式がら先物価格は現物価格に一致します。この場合の最終決済値段をSQ(スペシャルクォーテーション、対象となる平均株価または株価指数に採用された銘柄の取引最終日翌日の値段)といい、それまでに決済されなかった分は、このSQとの差額を計算し自動的に決済されます。
SQが算出される日は先物取引の各限月(3,6,9,12月)の第二金曜日と決まっています。SQの算出日には裁定取引による売買が活発になり、出来高が通常より高くなる傾向があります。
たくり足・首吊り足
「たくり足」とは下ヒゲが長く、実体の小さなもの。陰線でも陽線でも、実体が多少長くても、下ヒゲが実体より十分に長ければ、一般的に「たくり足」と呼ばれます。
相場が十分に下落した所で出れば、買い場になることが多く、特に出来高を伴い陽線であれば、底である可能性が非常に高くなります。また、たくり足のような形で、天井圏で出る陽線のものを「首吊り足」と言い、急落の前兆であることが多いです。
つつみ足・はらみ足
「つつみ足」とは前日の陰線の値幅を全て包む大陽線、あるいは前日の陽線の値幅を全て包む大陰線をいいます。長期下落の後の陽線つつみ足は「抱きの1本立ち」と言い「安値圏での大陽線の出現は買い」となります。逆に高値圏での陰線つつみ足は「最後の抱き線」と言い「高値圏での大陰線の出現は売り」となります。
「はらみ足」はつつみ足とは逆で、前日の大陽線(or 大陰線)の値幅の範囲内で株価が推移しているものをいいます。これは売り方、買い方の拮抗状態と見ることができ、はらみ足は相場の転換点と解釈されています。
高値圏で大きな陽線に小さな陽線がはらむと「陽の陽はらみ」と言って売りシグナルとなり、また同じ高値圏でも、大きな陽線に小さな陰線がはらむと「陽の陰はらみ」と言い「次の動きに付け」と言うことになります。通常は「はらみは放れた方に付け」と言うことで、前日の高値、安値を切った方に動くといわれています。
安値圏で出現すれば上昇サイン、高値圏で出現すれば下降サインになり、転換の重要なポイントとされますが、頻度よく出ますのでそれだけでの判断は危険です。
つなぎ売り
つなぎ売りとは、現物を持ったまま同じ銘柄を、信用取引で空売りすることです。現物に含み益があって、高くなって「売り時かな」と思っても中長期的にはまだ上がりそうなので手放したくない場合などに、空売りのポジションをつくって値下がりのリスクを減らすことが出来ます。
値下がりすれば、反対売買で現物株を保有したまま利益を確保できますし、値上がりしても「現渡し」で決済すれば、つなぎ売り時点での利益は確定してますので、損失はそれ以上増えません。
インデックス買い
マーケットの指標であるインデックス(日経平均やTOPIXなど)の構成銘柄(日経平均なら日経225銘柄)をそれぞれ同単位ずつ保有するよう買い付けることです。
このインデックス買いの買い圧力がまったく微小なら特段取り上げる必要は無いのですが、大手の証券会社はどこもインデックスファンドを設けて多くの資金を集めていますし、生命保険や銀行等の機関投資家の運用にも、比較的リスクの低いインデックスをベースにしたものが多いので、全体としてかなりインパクトの大きい買い圧力になります。
インデックス買い日には、不自然なチャート、言い換えれば突然急激な出来高を伴う価格上昇が発生することが多いです。
クロス取引
クロス取引とは、同じ人が同じ株式を同値で同じ株数だけ、売りと買いを入れる取引の事です。一見、この取引に何の意味があるのかわかりませんが、実は、信用取引(優待取り等)や多額の含み益を持つ個人の節税対策(取得価額のかさ上げ効果等:2003/1からは源泉分離課税が廃止されたのでこの効果は期待できない)には重要な取引の方法です。
確実なクロス取引の方法は、前場または後場が始まる前に、成り行き注文で売りと買いを(同じ市場に)同数入れる事です。店頭株など成り行き注文ができない場合は、確実に売買を成立させるために、買い注文は指値を高くして、売り注文は指値を低くして入れるべきです。通常の取引では買いは安く、売りは高く指値しますがクロス取引ではその反対にします。
優待取りの場合は「現物買い+信用売り」のクロス取引を行います。この取引にかかるコストは、売り買いそれぞれの手数料です(場合によっては逆日歩がかかる場合があります)。株主優待の価値によっては、手数料や逆日歩によって相殺されてしまうことがありますので銘柄選択には注意が必要です。
ゴトウ日
ゴトウ日とは、5日、10日、15日等のこと。東京為替市場に特有な現象で、しばしば相場に影響を与えます。これらの日の朝9:55に発表される公表仲値を受けて、主に輸入企業のドル資金調達の注文が入るため、ドル買いの動きが朝から進む傾向があります。
これは、顧客のドル需要の規模がある程度判る銀行のディーラーが、顧客に適用するレートをなるべく高くしたいために、必要以上のドルを買い進めるからです。
仲値が決まった後は、銀行は安いところから買い上げて行き高値で顧客に売り払った残りを、できるだけ速やかに市場で高いうちに手放そうとするので、ドル売りの動きになります。
ザラ場
株式市場には「寄付き・前引け・後場寄り・大引け」がありますが、これは前場の始まりと終わり、後場の始まりと終わりのことを言います。そして始まってから終わるまでの間の時間のことを「ザラ場」と言います。
ストキャスティックス
RSIと同様、売られ過ぎ買われ過ぎを示すと言われている代表的なテクニカル指標で、相場の直近終値が,一定期間のレンジのなかで相対的にどれぐらいのレベルに位置するかを測定する指数です。過去9日(or 5日)間を期間として採用するのが一般的。
この指標は株価が下落するときは一日の安値近辺で取引が終了するという習性があり、上昇するときは高値近辺で取引が終了するという傾向があるという前提にたってます。
ストキャステックは%K、%Dという二つの数値から成り、%Kはより早く株価の動きに反応する一方、重要性は%Dが高いとされます。一般的な見方は%K、%Dがそれぞれ20%から25%にあるときは売られ過ぎ、75%から80%にあるときは買われ過ぎとされます。また、%Kが%Dを下から上抜いた地点を買いサイン、逆に下抜いた地点を売りサインとして利用されることもあります。
%D=(KCの3日移動平均/KPの3日移動平均)*100
KC=(終値-過去n日間の最安値)
KP=(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)
slow%D=%Dの3日移動平均
ストックオプション
ストックオプションとは新株予約権の一種で(1)会社の役員や社員が(2)一定期間内に(3)あらかじめ決められた価格で、会社から自社株を買い取ることができる権利をいいます。業績に貢献した役員や社員らに報酬として付与することが多く、一般的に次のメリットがあると言われています。
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役員や社員の経営努力・勤労意欲の促進
役員や社員は、自らの努力で企業価値を上昇させ、株価が上がればより高い利益を得ることができますので、経営努力・勤労意欲が促進され、その結果企業業績の向上に役立ちます。 -
有能な人材の確保
有能な人材を確保したいが、それに見合った報酬を支払うことができなくても、将来企業が成長し株価が上昇した際には、十分な利益を得ることも可能です。
チャネルライン投資法
上昇する株価の切り上がる「安値」と「安値」を結んで引くラインを上昇トレンドラインといいます。トレンドラインの基本的な役目はトレンドの方向性を確認することですが、トレンドラインには上昇する株価の押しを支えるサポートラインとしての機能もあります。
そのトレンドラインに平行に高値同士を結んだラインはチャネルラインと呼ばれます。チャネルラインは上昇する株価の限界線(レジスタンス)として売り時の目安に使うことができます。この2つのラインを利用して売り買いを繰り返す投資法がチャネルライン投資法です。
ドテン買い・ドテン売り
信用取引で、いままでの反対のポジションを取ることを「ドテン」といいます。投資家が今までの買いをすべて手仕舞いし、売りに転じることを「ドテン売り越し」、その逆に売り手が一転して買い手になり、売りを決済し買い建てすることを「ドテン買い越し」といいます。
相場格言の「損切りドテン福の神、利食いドテン愚の骨頂」は、上昇相場での値頃感による安易な”利食いドテン”を戒めたものです。
ナンピン買い
買った株価が下落した場合に、買いコストを下げるために「下がったところで、この銘柄はその後に上昇する可能性が高いと投資家が考えて、再度同じ株を買うこと」をナンピンまたはナンピン買いと言います。下がったところで買うと買いの平均コストが下がりますので、上昇した場合には利益が当初買っていた時に比べて多くなるからです。
例えば、360円で1000株買い、その後株価が下落した時に300円で2000株買いますと、平均の買い価格(コスト)は960円で3000株ですから1000株あたり320円に下がります。仮にその後に株価が340円まで上昇した場合、360円で買った分だけですと、20円プラス手数料の損ですが、ナンピンしたことで20円の利益が出ることになります。
ニューヨークオプションカット
NY市場の10時(夏時間11時)。ニューヨークカットのオプションがあるため東京市場での仲値公示時間のように相場の動意が見られやすい。(東京24時=LDN15時=NY10時)
バリュー/グロース投資
バリュー投資とグロース投資を簡単に書けば、割安株と成長株に投資することです。
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バリュー投資では、その企業の利益、配当、資産等のファンダメンタルから見て株価が相対的に割安であり、やがて企業の価値が見直されて株価が上がると予想される株に投資します。経営が安定していて、利益をコンスタントに上げているのが重視されます。「リスクを抑えて、利益を取る」方法と言えるでしょう。
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グロース投資とは、今後高い成長が期待できる企業、つまり「将来大きく成長するかもしれない企業」に投資して、株の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資法です。
ボラティリティ(予想変動率)
主にオプション取引などで使用され、過去の変動の度合いから、今後どの程度変動するかを予想した数字。市場参加者の先行き1ヵ月(or 3ヵ月)の円相場の見通しを反映するといわれています。数値が小さいほど相場の振れが小さいと市場参加者は見ていることを示します。
日経新聞「マーケット総合1面」の、右端あたりを探すと、通貨オプション欄に「円・ドル ボラティリティー」という項目があり、この数値(年率%)が円相場の今後の動きを予想する数値。
モデル系ファンド
モデル系ファンドとは、コンピューターなどのテクニカル分析を主体とした運用モデルにより短期的な売買から利益を上げようとする投資家・ファンドのこと。相場が一方向に大きく動き、他に説明し難い場合に、「XX系ファンド」の仕業であるかのごとく解説が加えられます。
他には中長期的なマクロ経済分析に基づき売買する「マクロ系」とか、その中間を意味する「インターメディエイト」などの用語も存在します。しかし、それ自体明確な定義などなく、実際の投資行動を把握するのは不可能です。
ロング/ショート/フラット
ポジションとは、証券の持ち高のこと。「買い」でも「売り」でも、何かの持ち高を保有することを「ポジションを取る(持つ)」といいます。A社の現物株を1000株もっている人なら「いまのポジションはA社1000株ロング」、信用取引で1000株売っている人なら「いまのポジションはA社1000株ショート」、現物株で1000株持っている一方で、信用取引によって1000株売っている人は「ポジションはフラット」です。
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ロング(買い待ち)とは、株式などの証券を「買って、まだ決済をしていないで持ってる」状態をいいます。「買う」ことではなく、「買って持っている」ことです。A社の株を1000株買って(現物でも信用でも)、まだ売らずに持っている状態にある場合は「A社1000株ロング」となります。
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ショート(売り待ち)とは、株式などの証券を「(信用取引などで)売っていて、まだ決済をしていない」状態をいいます。「持っている現物株を売却した」というのはショートではありません。A社の株を信用取引で1000株売っていて、まだ買い戻していない状態にある場合は「A社1000株ショート」となります。現物取引はロング一辺倒ですが、信用取引ではロングもショートも、どちらもありというわけです。
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フラットとは、いまの証券の持ち高が、ロングでもショートでもない状態をいいます。まったく何の取引もしていなければフラットですが、例えば、A社の現物株を1000株持っていて、その一方で、A社の株を信用取引で1000株売っているという状態であれば、トータルすると「ロング1000株+ショート1000株」で±ゼロですから、これもフラットの状態です。
ロンドンフィキシング
ロンドンフィキシング(London Fixing)とは、東京外為市場午前10時の仲値のような、ロンドン市場16時(夏時間17時)のフィキシングのことです。大口の顧客取引が出やすいため、大きく動きやすい。(東京25時=LDN16時=NY11時)
建玉(ぎょく)・シコリ玉
信用取引や先物取引で売買した後、反対売買されずに残っている未決済分のこと。信用取引や先物取引で、新規に買うことを「買い建て」、新規に売ることを「売り建て」と言います。この売買は最終期限までに決済する契約になっており、投資家はその途中いつでも好きな時に反対売買を行うことが認められています。
建玉は相場によって増減し、株価が上昇している時は建玉の残高が増加し、下降している時は減少する傾向にあります。売買高、市場規模人気などを計る重要な指標の1つです。
高値で買って、売れずに持ったままとなり、その後に株価が下落して売るに売れなくなってしまった株を「シコリ玉」といいます。別の言い方では「塩漬け銘柄」ともいいます。
裁定取引・裁定解消売り
市場間の価格差を利用して利益を得る取引のことを裁定取引といいます。TOPIX先物取引では、現物株式との間に生じた価格差を利用して「現物株式の買い:TOPIX先物の売り」のポジションを設定することが広く行われています。日経225先物なら採用銘柄の225銘柄すべてのことですし、TOPIX先物なら東証一部全銘柄のことです。
先物価格は理論的に現物価格(現在の平均株価や株価指数)よりその時点の短期金利分から配当利回りを引いた分だけ高くなります。
実際の先物価格は需給関係で変化します。上記理論価格より高くなったり安くなったりします。先物価格が理論価格より高くなったときが割高、安くなったときが割安です。ここに裁定の働く余地が生まれます。先物が割高なら先物を売り現物を買いますし、先物が割安なら先物を買って現物を売るわけです。
裁定取引を清算する方法は「SQでの自動的な清算」以外に「反対売買」によっても清算されます。この取引を裁定解消売りと言います。この裁定解消売りが出るときとは、先物価格が下落したときです。
つまり、裁定取引は、SQで先物と現物の価格が同じになるという性質を利用して行われますので、先物価格が現物価格よりも下落すると、最初に決めた利益以上の利益を獲得出来る訳です。裁定解消売りは「現物よりも先物が下落したとき」に起こるということになります。
仕手材料株
本来は「仕手株」と「材料株」は別のものでした。以前の仕手株は一部の投資家グループが強引に資金量だけで株を買い上げる銘柄でした。しかし、証券取引等監視委員会(日本版SEC、SEC=全米証券取引委員会)という株式市場の不正をチェックする機関が誕生してからは、「無理に株価を上昇させた場合には株価操作に当たる」として日本版SECの調査を受ける可能性が出てきました。このために、仕手株を扱う投資家グループ(仕手筋)は「何か上昇する材料のある株」をターゲットにし始めたことから、仕手株は仕手材料株と言われるようになりました。
もちろん、全く材料がない株が急騰する場合もあり、この場合には以前と同じ様に仕手株と言います。仕手株と材料株に共通していることは「資本金が小さい企業」ということです。投資家グループの資金は限りがありますので、新日本製鉄やソニーの様な巨大資本の銘柄を買い続けても売り物が次々と出てきますので、大きく株価を上昇させることができません。しかし資本金が小さく、浮動株が少ない銘柄であれば数十億円程度の資金でも株価を急騰させることができますので、そういった銘柄がターゲットになります。
仕手株は仕手グループだけが買っても意味はなく、大きく上昇することで一般の投資家を巻き込み、一般の投資家が儲かると思って高値まで買い続けた時に安値から買っていた仕手グループが株を売って儲けることが目的です。ですから、一般投資家を参加させるためには株価を大きく上昇させる必要があります。これが仕手株です。すなわち、仕手株とは投資家同士のだまし合いであり、損をしないためには投資の対象としては触れないほうが良いと言えます。
順張り・逆張り
株式投資をする場合の銘柄の買い方には大きく分けて2通りの方法があります。一つは株価が上昇している時に買う投資方法で、もう一つは株価が下落している時に投資する方法です。前者を順張り、後者を逆張りと言います。
順張りは勝負が早い投資です。つまり、順張りとはうまく行けば短期で大きな利益が取れ、失敗すれば短期で大きな損が出るという「博打」的な投資手法となります。
では逆張りはどうかと言いますと、逆張りをする投資家のほとんどは「上値で買ってナンピンする」投資家か、下げている途中に買って、買った後も株価が下落し続けるというパターンになることが多いと言えます。それは少し下落しただけで買ってしまう、少し下落した時にすぐに買わないとまた上昇してしまうと考えて買うためで、そのような逆張りの買い方では有効な投資手法とは言えません。
信用倍率(貸借倍率)
「信用買い残(融資残高)÷信用売り残(貸株残高)」で計算され、信用取引の「買い方」と「売り方」のマーケットにおける取り組み状況を表します。この比率は、通常は買い残高の方が多く1倍より大きくなります。株価が急騰し売り残高が急増して1倍に近づいてくると、株価が上昇する可能性が高まることから株式市場では好感されます。逆に、比率が10倍を超えると、買いが一方的で相場が過熱していると言われます。
一般に、ある銘柄が人気化して値上がりすると、信用取引の買い残高もそれにつれて増加します。さらに値上がりが進めば、カラ売りも増えて売り残高も増加することになります。また、信用倍率が大幅に低下した、つまり買い残が急減したか、売り残が急増した、状況は「将来の売り圧力が減った」という意味になり、これをきっかけに買いが集まることもあります。
全体の取組状況を示す指標として注目されており、信用倍率が大きくなれば取引関係の悪化を、小さくなれば取引関係の改善をそれぞれ示します。倍率が拡大傾向にある時は、買いが強く株式市場全体に活況がみられる一方、縮小傾向にある時は、市場人気の低下がうかがえます。
日証金の貸借倍率の融資残高は「信用買い」、貸株残高は「信用売り」を意味しますので、東証の信用倍率と同じような意味を持ち、その速報値的な数値として一般的には認識されていますが、厳密には貸借倍率=信用倍率ではありません。
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信用倍率(東証、毎週火曜日発表)
算出の基になるデータである信用買い残、信用売り残は3市場残と同様に、証券会社内の食い合い(売り注文と買い注文との相殺分)や自己融資分、手持ち株を貸した分を含んでいるので、信用取引の実態を表しています。 -
貸借倍率(日証金、毎日発表)
算出の基になるデータである融資残高、貸株残高は日証金残高と同様に、証券会社内の食い合いや自己融資分、手持ち株を貸した分を含まないので、必ずしも信用取引全体の実態を表してはいません。日々公表されるので速報性があることがポイントです。
値がさ株と低位株
値がさ株とはいくらの銘柄かと言うとこれには決まりはありません。一般には1回の投資資金(1単元取引)が数100万円以上の銘柄を値がさ株と言い、300円台以下の銘柄(1回の取引が30万円以下)を低位株と呼んでいると思われます。
値幅調整・日柄調整
株式市場は上昇すれば必ず下落します。この下落のことを値幅調整(整理)と言います。株価は「皆が買い始めますと、買わなければ損をする」と投資家は考て、先を競って買い始めます。そして、ある程度買われると「買う人が全て買ってしまえば買う人はいなくなります」ので、株価は下落し始めます。この下落は、高いところを買った投資家が儲からない、下がる前に売ってしまおうと考えて売るから起こるのですが、この下落も売りたい投資家が売ってしまえば売る人がいなくなりますので「株価の下落が止まる」ことになります。この株価の下落が止まったところが「値幅調整(整理)終了の時」ということになります。
値幅整理が終わりますと今度は上昇するわけですが、この上昇し始めの時(初動)を掴むことができれば「更に下がる可能性はほとんどない」わけですから、損をする確率は低くなります。また、動き出したばかりですので、大きく上昇を続ける可能性が高く、利益を多く取れる確率は上がります。すなわち、「値幅調整が終わった銘柄で、動き出したばかりの銘柄を買うこと」ができれば株式投資で勝者になれる確率は非常に高くなると言えます。そのためには「値幅調整が終わったかどうかの確認」をする必要があります。
株価が下落しないが上昇もしない様な調整もあります。この場合には日数だけが経過しますので日柄調整(整理)と言います。株式市場に先高観がある時に、今回の上昇相場で買えずに儲からなかった投資家は、次の相場では儲けたいと考えますので、少し株価が下落しますと押し目買いを入れてきます。株価は下がりそうで下がりません。この下がりそうで下がらないという時期が数週間から数か月続きますと「値幅調整は行われなかったけれど、日柄調整で目先、売りたい投資家は売ったので調整終了と考えて良い」と考える様になります。
すなわち、値幅調整(整理)とは売りたい投資家が売った時に株価が下がって売りたい投資家が全て売った時の調整のことであり、日柄調整(整理)とは売りたい投資家が売った時に株価は下がらなかったのですが、時間が経過して売りたい投資家が全て売った時の調整ということになります。
重要なことは「売りたい投資家が売り終わる」ことですので、どちらも調整が行われたという意味では同じことになります。ただし、ベストな調整は「値幅調整と日柄調整が同時に行われる調整」であり、次は「値幅調整が行われる」こと、最後が「日柄調整が行われる」ことです。それは日柄調整の場合には何かのきっかけで株式市場が下がった場合に、「高値にあるとこで買った銘柄が大きく下落する可能性」があり、値幅調整の場合には、既に価格は落ちているので「上昇のスタート時期が遅れる」だけで済むからです。
追証の投げ
追証が発生する様な相場の場合には一人二人の投資家に追証が発生するのではなく、多くの投資家に追証が発生します。そして経験則から個人投資家は追証が発生した場合には、追証を差し入れずに買っていた株を売ってしまう方向に動きます。
着実に売る方法は「寄り付きで売ること」ですから「追証の投げ」は前場の寄り付きや後場の寄り付きで出ることが多く、この場合には相場が悪い時に大量の売り物が出ますので、当然株価は大きく下落することになります。これを追証の投げによる急落・下落といいます。
東京仲値
仲値(なかね)とは、朝10時のインターバンク市場(銀行間の取引相場)の水準をもとに決める銀行の対顧客取引レートのことです。特に5の倍数の日はゴトウ日と呼ばれ、企業など大口の決済が多いため、大きく動きやすい。(東京10時=LDN1時=NY20時)
踏み上げ
この言葉は信用取引や先物取引など「売りから入ることができる商品」がある商品で使われる言葉です。「踏み上げ」ということは「何かを踏むこと」ですが、その何かとは買い戻しのことです。
価格が上昇するのは買いの株数が売り株数を上回った時ですが、この買いに売り方の買い戻しが加わりますと、買いは単純な買いと信用売りの買い戻しによる2つの買いとなりますので、通常の買いよりも買いエネルギーは高くなります。
しかもこの場合には「売り方は負けている」ことが多く、早く買い戻さないと更に負けてしまうと焦りますので、値段に関係なく買い戻しますので、踏み上げられる様な上昇となります。すなわち、買いと売り方の買い戻しで勢いがついて大きく上昇する時に踏み上げと言い、その勢いのある相場を踏み上げ相場と言います。
騰落レシオ
騰落レシオ=(値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数)×100で計算される値で、相場全体の動きを見るための一つの指標で100%が中立の状態になります。一般的には25日ベースで「中期的な投資タイミングの判断」を、6日ベースで「短期的な投資タイミングの判断」に使います。
一般に騰落レシオ(25日ベース)100%を超えると値上がり銘柄が多く強気相場、120%前後になると過熱気味で相場の反落が近くなります。逆に70%前後は底値ゾーンで特に60%割れは絶好の仕込み場、と言われています。
騰落レシオ(6日ベース)が35%未満になった時は、短期的な底値圏を示すことがほとんどです。短期的な「売られすぎ」で、とりあえず株価が反発するケースが大半です。250%以上になった場合は、「短期的な過熱」を示します。この場合も、あまり深追いをしないほうがよいかもしれません。
配当落ち・権利落ち
「配当」や「株式分割」などの権利を受けることができるのは、通常決算日にその企業の株主となっている方に権利が確定されます。権利付最終日は、権利確定日(通常決算日=9月30日)の4営業日前です。
2003年の9月末決算銘柄の各種権利・配当・優待の権利付最終日は、9月24日(水)となります。当該日までに購入、かつ当該日取引終了時点で保有している(売却されていない)決算銘柄に関しては、権利が付与されます。9月24日(水)以前に売却した場合、および9月25日(木)以降に購入した場合は、権利が付与されません。
信用取引で信用売りを行っている人は、配当金調整額を支払い、信用取引で信用買いを行っている人は、配当金調整額を受取ることになります。なお、信用買いでは優待は付与されません。
買い決め・売り決め
機関投資家と証券会社の間の取引で使われる言葉です。銀行や生保・損保・信託銀行・大手企業などは大量の株を持っています。一度に大量の株(数100万株単位)を市場の中で売買しますと「その売買に対応する売買」がなければ市場が混乱してしまいます。
例えばA銘柄を500万株売りたい時に、市場で500万株売ろうとしても500万株買う投資家がいなければ株価は急落してしまいます。この時に直接市場で売るのではなく、一度大手の証券会社がこの株を引き受けて買い、その後に相場を見ながら証券会社が徐々に売却することで市場が混乱しない様にしようというのが「売り決め」です。従って、売り決めが出ますとその後に市場で証券会社が売りますので株式市場にとっては悪材料となります。
逆に大量の株を欲しい時にまず証券会社が売り手となって機関投資家が買い、後で証券会社が市場で買い戻すことを「買い決め」と言います。この場合には後で証券会社が市場の中で、売った株の手当てをしますので、証券会社の買いによって株価が上昇し、株式市場にとっては好材料となります。
この買い決め・売り決めは11時から12時半の間の昼休み中に行われます。後場突然株式市場が理由もなく上昇した場合に「裏で大量の買い決め」が入ったことで、その後に証券会社が市場の中で買うため、他の中小の証券会社のディーラーが先回りして買うことで上昇する場合もままあります。
買い乗せ・売り乗せ
ナンピン買いとは買った後に株価が下落した場合に行う「失敗した時の投資手法」ですが、買い乗せとは買った株が上昇している時に「更に株価が上昇すると考えて、最初に買った株価よりも高い株価で買うこと」を言います。一般の投資家でも行いますが、主に仕手戦でよく使われる言葉です。
例えば良い銘柄であることから安いところでまず買い、株価が上昇した時にこの銘柄はもっと上昇すると考えて、再度上値で買うことが一般的な乗せですが、仕手戦で使う場合には売り方の買い戻しによる株価の上昇を加速させるために買う行為を買い乗せと言います。すなわち、売り方を追い詰めるための投資手法の一つが買い乗せであり、この買い乗せによって「そのうちに下がるだろう」と考えていた空売りの投資家にも「速く買い戻さないと大変なことになる」と思わせて買い戻しをさせるために行う手法です。
上の取引は買い方が売り方に勝った時(株価が急騰した時)ですが、逆に売り方が買い方に勝って株価が急落することも当然あります。この時には信用で買っていた投資家は慌てて売るのですが、この慌てた売りに対して「売り方が更に株価を急落させるために空売りを行う」ことを売り乗せと言います。
仕手株とはこの様な高等技術や個人投資家が知ることができない色々な事情によって突然変化しますので、上昇してしまった仕手株には触らない方がよいと思います。
評価損率
信用取引の買いを行っている投資家が、今どういう評価損 (益) 状況になっているかを示すもので、「評価損÷時価」で計算します。
但し、評価損=時価-買値=(三市場の買い残の金額)-(貸借残高融資金額+自己融資金額+店内食い合い金額)の値。
三市場信用取引残高をもとにして、建玉の約定価格 (約定単価) に対する時価での損益率を計算したものです。評価損率は、プラスが評価益、マイナスが評価損を意味します。
水準が低いほど相場が活況である場合が多く、-3%割れは高値警戒域(株価もそろそろ天井に近い)とされます。また、-10%割れは暴落の予兆(追証の発生によって投げが加速)であり、-20%は底値圏(投げ売りも収まる)となることが多いといわれてます。
保ち合い
「保ち合い」は「もちあい」と読みます。その銘柄の株価の行方に対して、値上がりするという見方と、値下がりするという見方とが拮抗した場合、株価がほとんど動かない状態になることがあります。株価が上下動しながらもすう勢として横ばいの動きを続けている状態を「保ち合い」といいます。値上がりするという見方がやや優位に立てば、株価は小幅高に、反対に値下がりするという見方がやや優位であれば、株価は小幅安になります。保ち合いの状況が続くと、株価の行方がわかりにくいだけに、投資判断も難しくなります。
そしてその際、上下動する動きがだんだん小さくなっていき、チャートの形が三角形のようになる状態を「三角保ち合い」といい、「保ち合い」の状態から、上下どちらかに値動きが出始めることを「放れる」といいますが、「保ち合いから放れた方につけ」というのは、投資の世界で昔から有効な戦法として知られている考え方です。特に、三角保ち合いからの放れに付く戦略は、経験則上成功する確率が高いと言われています。
両建て
両建てとは、損失の拡大を防ぐため、損切りする代わりに反対売買で、同数の逆の建玉を作ることです。こうすることで株値が騰がっても下がっても値洗い(終値で仮計算した評価損益)は変わらず、これ以上の追加資金は必要なくなります。値洗いが変わらないので、これ以上状況が悪くなることはありませんが、良くなることもありません。つまり明らかに損になっているのに損失を確定せず、手仕舞いを先送りしただけなのです。
ひとつのポジションをいつまでも引きずることになりやすいので、初心者にはお勧めできません。「様子を見ながらすこしずつ外して損を少しでも減らしていきましょう」ということですが、これはかなりの上級者でもむずかしい作業です。