信用取引の仕組みとリスク

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信用取引の仕組とリスク

投資とリスク

投資におけるリスクには以下のものがあります。投資にあたっては、まず自分が投資しようとしている金融商品や投資対象国にどのようなリスクがあるのかをきちんと理解しておくことが重要です。

どこまで管理できるのか?

項目 コントロールの可否
コスト 完全にコントロールできる
リスク 完全にはコントロールできない
リターン コントロールできない

リスクの種類

マーケットリスク 市場のもつリスク、株価や金利など資産価値の相場変動のこと
インフレリスク 物価上昇率が高いため、実質的な資産価値が下がること
流動性リスク 取引量が少ないためなど、市場価格で取引が成立しないこと
信用リスク 元本の返済や、利金の支払いが滞ったり、停止されること
為替リスク 為替変動によって生じる損失などのこと
金利リスク 市場金利の変動によって資産価値が相場変動すること
カントリーリスク その国の政治・経済情勢等により資産価値の相場変動のこと

信用取引の仕組とリスク

信用取引は、上げ相場においても下げ相場においても積極的に相場に取り組める手段です。とは言っても、資金や株を借り(借金)て取引しますのでその仕組みを十分理解した上で行う必要があります。

また「追証」や「逆日歩」など現物取引にはない仕組みもありますので注意します。「追証」は担保を十分に入れ、ポジション管理をしっかりすればさほど心配はありませんが、「逆日歩」は空売り時はチェックする習慣をつけましょう。

取引用語 取引のしくみ
実質保証金 実質の担保額 (保証金現金)+(担保株式時価x80%)-(建玉評価損合計)の金額。
担保株式時価と建玉評価損額が時々刻々と変わるので、実質保証金額も変化します
委託保証金率 取引に必要な担保額を決める率 (実質保証金/建代金合計)×100(%)で計算される率。
ネット証券会社により異なりますが最低委託保証金率は30%~33%のところが多いです
委託保証金維持率 追証がかかる基準 ネット証券会社により異なりますが維持率は20%~30%です。
委託保証金率の値がこれを下回ると「追証」が掛かります
信用建余力 新規で信用取引ができる「枠」 (実質保証金/最低委託保証金率)-(建代金合計)の金額。
実質保証金100万円の場合303万円(=100/33%)までの信用取引ができます
追証
(おいしょう)
追加保証金の略
追加担保の差し入れ義務
株価の下落で、担保株式が値下りしたり、建玉の評価損が増えたりすると実質保証金が減るので、委託保証金率が減少します。

この委託保証金率が委託保証金維持率(30%)を下回ると、30%に戻すために追加の保証金を請求されます。これが「追証」です。

期日までに保証金を入れないと証券会社は信用建玉や担保株式を強制処分して清算します。以降取引停止にもなりかねないので注意します

逆日歩 売り方が買い方に払う金利 「信用売り」が極端に多くて株券が不足してる場合は逆日歩と呼ばれる品貸料がかかることがあります。

逆日歩は銘柄ごとに株券の不足の状況や株価によって毎日変わり「1株につき5銭」といった形で公表されます。1000株を信用売りしてる場合1日あたり50円(=5銭×1000株)の逆日歩がかかります。

信用取引とリスク管理

一般に、信用取引は追証が発生した時点で負けと言えます。追証がかかった時点で、建玉と担保株式の両方で損失が発生していることがほとんどだからです。

追証を避けるためには、余裕を持った建玉をすることと、あらかじめロスカットを決めておいて、予想が外れて株価がロスカットに達したらすみやかに反対売買で決済するのが鉄則です。

  1. 信用取引の最大のポイントはポジション管理

    最初の1年間は維持率が決して100%(実質保証金の範囲内で建玉をたてるので現物取引と同じ感覚です)を切らないようにポジション管理をしっかりしましょう。

    おじさんは余裕をもって出来るだけ120%を下回らないようにポジション管理をしています。こうすることで予期せぬ急激な株価下落でも狼狽売りすることなく、冷静な対応ができます。

  2. 予め許容できる損失額をしっかり決めてその範囲内で投資を行う

    資金や株券を借り入て自分の資金力以上の取引をするということは、大きな利益を得られる反面、負担し切れない大きな損失となるリスクも含んでいることを充分認識しておきましょう。

  3. 取引する前に必ずこの価格になったら「損切り・利食い」するを決めておく

    信用取引は自己資金と比較して大きな売り、または買いのポジションを取ることになります。

    自分の資産に制限がある人は、特に損切り・利食いを適切に行わないと資金不足に陥るリスクが高まり、そのような状況では、判断を狂わせる可能性も高くなってしまいます。

  4. 損失の拡大を防ぐための「両建て」は決して行わない

    損失の拡大を防ぐため、損切りする代わりに反対売買で、逆の建玉を作って「両建て」にする方法があります。

    「様子を見ながら少しずつ外して損を少しでも減らしていきましょう」ということですが、これはかなりの上級者でもむずかしい作業です。

    両建てすることで株値が上がっても下がっても値洗い(終値で仮計算した評価損益)は変わらず、これ以上の追加担保は必要なくなります。

    値洗いが変わらないので、これ以上状況が悪くなることはありませんが、良くなることもありません。つまり明らかに損になっているのに損失を確定せず、手仕舞いを先送りしただけなのです。ひとつのポジションをいつまでも引きずることになりやすいので、初心者にはお勧めできません。

  5. 仕手株と言われる銘柄の「空売り」には手を出さない

    仕手株と言われる銘柄の「空売り」などが全財産を失う取引であるということをまず知っておく必要があります。

    仕手株では、投売りや踏み上げを狙って株価が操作されることがあるので、初心者は手を出さないほうが賢明です。

    「買い」の損失は、最大でも購入金額までですが、「売り」の場合には株価が無限に上がる可能性があり損失も天井知らずになる可能性があります。相場の上昇で一緒に上昇し、下落で一緒に下落する様な普通の銘柄を選んで、相場の下落する時にロスカットを設定して売ればリスクは大幅に軽減されます。

信用取引ができる銘柄、できない銘柄

3つの信用取引制度

信用取引では現物取引とは違って、上場してる銘柄ならどれでも売り買いできるというわけではありません。

信用取引には3つの種類があります。最も一般的なのは「制度信用取引」で、ネット証券はこの制度だと思って間違いありません。さらに「売りでも買いでも自由にできる」ということを考えれば「貸借銘柄」を扱うネット証券会社ということになります。

制度 取引ができる銘柄 制度の特徴・相違点
制度
信用
取引
もっともポピュラーな信用取引 上場国内株式のうち取引所が決める銘柄
(制度信用銘柄)
・品貸料や決済期限(6ヶ月)などのルールが取引所の規則によって一律に決定されている信用取引
・証券金融会社からお金や株券を借りて取引できる(貸借取引)
・貸借取引ができる「貸借銘柄」の基準は「制度信用銘柄」より厳しく、信用買いは制度信用銘柄ならOKだが、信用売りは貸借銘柄に限るとしてるところが多い
JAS
DAQ
銘柄
一部のネット証券で取り入れてる ジャスダック上場株式のうち日本証券業協会が決める銘柄 ・個別の対象銘柄や決済期限は日本証券業協会が決めているが、品貸料は証券会社と投資家の間で決められる
一般
信用
取引
期限が6ヶ月とは限らない 原則国内上場全銘柄 ・品貸料や決済期限などのルールを証券会社と投資家が自由に決めて取引する制度
・証券金融会社(日証金など)からお金や株券を借りることはできない。全部自分の会社で調達するのが原則

JASDAQ市場に制度信用取引導入

2004年4月19日からJASDAQ市場に制度信用取引が導入され、SBI証券をはじめとする各社は、JASDAQ銘柄の制度信用取引と、取引所およびJASDAQ銘柄の一般信用取引(Eトレ/松井証券等は無期限信用取引と呼称)を開始しました。

制度信用取引は売りと買いの両建てができますが、一般信用取引は買いのみ(注※)です。かなりの銘柄で制度信用・一般信用の両方ができるようになり、取引時にどちらにするかを選択します。

一般信用取引は返済期限がない分買い方金利が高く設定されています。

制度 取引所銘柄 JASDAQ銘柄
現物取引 全銘柄(約2160銘柄) 全銘柄(926銘柄)
信用取引 制度信用(6ヵ月) 買建 信用銘柄(約1900銘柄) 信用銘柄(126銘柄)
売建 貸借銘柄(約1400銘柄) 貸借銘柄( 43銘柄)
一般信用(無期限) 買建 全銘柄(証券会社が定める) 全銘柄(証券会社が定める)
売建 × ×

 (注)信用・貸借銘柄数:取引所 東証1/2部 2003末、JASDAQ 2004/04末 時点
 (注※)松井証券では無期限信用取引の「売建」が可能です。この対象銘柄なら逆日歩は付きません

信用取引のコストについてはこちらをご覧ください。

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