事例に学ぶ株式分割

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事例に学ぶ株式分割

株式分割とは?

株式分割とは、すでに発行されている株式を分割して株式数を増加させることをいいます。増資と違い、単に1株を2株というように分割するだけですから、会社の資本金や投資家の持株比率などの実体は全く変わりません。

1株の市価を下げたり、株価の数量を増やしたりできるため、市場で株式を売買しやすくなり流通性が高まります。

「株式分割」の権利取得基準は、期末の株主とする場合がほとんどです。配当や株主優待と同じで、期末に株式の受渡が終っていることが必要です(詳細はこちらです)。

個人投資家にとって何がいいの

個人投資家が株式投資で期待する楽しみとその比率は以下のようになっています。

値上がり益が期待できる(現物取引、信用取引)《93%》
配当をもらえる(現物取引、信用取引)《68%》
株主優待の楽しみ(現物取引)《43%》
株式分割で株数を増やすことが可能(現物取引)《22%》

  1. 1株を2株に分割した場合、理論上株数は2倍になり株価は半額になります。購入希望者にとっては、株価が半額になることで今までの半分の資金で株式を購入できます。

  2. その会社の1単元株式数が1000株なら、分割後は2単元になったわけですから1000株ずつに分けて売却できるようになります。

    ただし、株式分割後すぐには増えた株は売却できません。効力発生日が決められていて、この効力発生日を過ぎてから増えた株数を売ることができます。

  3. 株式分割を行う会社は一般的に業績が良好で将来の期待感もあり、実際には株価は半額より高く推移する場合が多く、株主にとっては含み益の増加になります。

    また、株主への配当は持ち株数によって行われるため、1株当たりの配当金額が据え置かれたならば実質的な増配となります。

信用取引や端数株の扱いは?

信用取引での新株引受に対する扱い

信用取引を行っている投資家は新株引受権を放棄します。この放棄された新株引受権は証券金融会社が入札を行い、その落札結果(権利処理価格といい権利落ち日の夕方決まる)で売り・買いの単価調整が行われます。

権利落ち日以降は、権利落ち前の単価から証券金融会社の定める権利処理価格を差し引いたものを修正後の単価として売り方、買い方とも調整されます。

分割株の人気が高く、理論価格より高い権利処理価格がついた場合、その差額(権利処理価格-理論価格)分買い方は得をし、売り方は損をすることになります。

1:1.2の分割とかだと半端な株数をもらうことになるけど、こういう株はどうしたらいいの?

取引所での売買単位(単元株)が1,000株の場合、1:1.2の分割だと1,200株の保有となってしまいます。この場合、最初から持っている1,000株は普通に市場で売れますが、200株については単元未満株といって、取引所では売買できません。

実際に受取った後、証券会社を通じて「単元未満株買取請求」というものを証券代行会社(日本証券代行(株)や信託銀行の証券代行部)に提出して売却することになります。

事例に学ぶ株式分割

セブンイレブン ~ 25年で約90倍の資産形成

株式分割の例でよく取り上げられるのがセブンイレブンです。株価が1万円を超えると分割をしており、1979年10月の上場から現在までに16回株式分割を実施しています。

上場時に1000株購入していれば現在は約3万8000株に増えていて、約180万円が1億4500万円(2004年4月20日現在)になっています。更に配当金が累計で1300万円あるため、この25年で約90倍に財産が増えたことになります。

年月 80/2 81/2 82/2 83/6 84/2 86/2 88/2 89/2
無償増資 1:1.2 1:1.2 1:1.2 1:1.1 1:1.2 1:1.2
株式分割 1:2 2:3
対1000株 1,200 1,440 1,728 3,456 3,801 5,701 6,841 8,209
年月 90/2 91/2 92/2 93/2 94/2 95/2 96/2 99/8
無償増資 1:1.2
株式分割 5:6 1:1.1 1:1.1 1:1.1 1:1.1 1:1.1 1:2
対1000株 9,850 11,820 13,002 14,302 15,732 17,305 19,035 38,070

(注)対1000株:上場時に1,000株を購入した場合の無償増資・株式分割後の株式数

ヤフー ~ 毎年2回の株式分割

ヤフーは、1999年以降、毎年3月、9月末に1株を2株に計8回株式分割を繰り返してきました(右図参照)。

会社側の意図は、

  1. 投資家が買いやすい水準にする
  2. 流動性の向上を図る

ためということですが、2004年4月20日現在1株が121万円ですので、(1)については、まだまだ買いやすい水準になってるとはいえません。

(2)については、2004年3月末では、個人株主が29,000名に達しています。株価50万未満をめどに分割を続けるみたいです。この毎年2回の分割はいつまで続くのでしょうか。

エッジ(現ライブドア) ~ 前代未聞の100分割

エッジは2001年5月に1株を3株に、2003年6月には1株を10株にするなど、株式分割には積極姿勢をみせていました。

そして2003年12月に、前代未聞の100分割を実施して、市場では様々な思惑が交錯し、15営業日連続ストップ高後、連日のストップ安を続ける値動きが荒い展開となりました。

2月の新株交付までの需給ひっ迫を背景に、異常な株価形成です。この展開は、ファンダメンタルズとは関係ない大幅分割銘柄特有の需給要因によるものということがいえます。

分割発表日 権利付最終日
1 99/2/08 99/3/25
2 99/7/14 99/9/24
3 00/1/14 00/3/27
4 00/9/04 00/9/25
5 02/3/07 02/3/25
6 02/9/10 02/9/24
7 03/2/19 03/3/25
8 03/8/26 03/9/24
9 04/2/17 04/3/25
10 04/8/24 04/9/24
11 05/2/16 05/3/25
12 05/8/17 05/9/26
13 06/2/16 06/3/27

[3] ヤフー神話の崩壊?

ヤフーは2002年の3月以降、毎年3月と9月に1:2の株式分割を実施してきました。2002年3月以降に実施された分割とその後の株価推移を簡単な表にしてみました。2004年3月までの分割では、分割後も株価は着実に上昇しまさに資産倍増株といえます。

分割発表日 権付最終日 最終日終値 分割後始値 分割後終値 上昇率
14 2006/8/?          
13 2006/2/16 3/27 136,000 66,900 66,100 △10.1%
12 2005/8/17 9/26 247,000 124,000 121,000 ▲5.9%
11 2005/2/16 3/25 525,000 265,000 258,000 △5.0%
10 2004/8/24 9/24 1,000,000 523,000 499,000 ▲4.8%
9 2004/2/17 3/25 2,100,000 1,080,000 1,170,000 △50.0%
8 2003/8/26 9/24 2,800,000 1,560,000 1,480,000 △239.4%
7 2003/2/19 3/25 1,650,000 925,000 925,000 △15.8%
6 2002/9/10 9/24 2,850,000 1,520,000 1,460,000 △8.2%
5 2002/3/07 3/25 5,270,000 2,830,000 2,820,000

(注)上昇率:前回論理価格からの上昇率(=今回最終日終値/(前回最終日終値÷2)-1)

  1. 13回目の分割が行われました。発表直後から徐々に値を上げて行きましたが153,000円をピークに以降はジリ貧です。

    権利落ち日(3/28)後に報道された、ネット銀大手のジャパンネット銀行に出資、事実上3割弱をもつ大株主になることが注目材料となり、今回の分割で値ごろ感が出てきたことなどで、翌日(3/29)には買い優勢となり上昇しました。

    論理価格からの上昇率も改善しており今後に期待です。(2006/3/29追加)

  2. 12回目の分割が行われました。10,11回目と同じで今回も思わしくありません。発表直後は株価、出来高も上昇しましたが以降はジリ貧です。

    2003年10月にジャスダックから東証1部に上場してから2年余り経過しましたが、時価総額はソニー、松下電器産業と肩を並べ、年2回の株式分割で流動性も増し、個人投資家の売買参加が十分可能になったことで、中長期投資対象の「資産株」としての条件が整いつつあるといえます。今後に期待です。

  3. 11回目の分割が行われました。今回はかろうじて上昇しましたが、ライブドアのフジテレビへのM&A問題にSBIの参入がソフトバンクグループ株高に振れたかも知れません。

    前回同様、分割後45万円の安値をつけた後、徐々に値を上げ一時は56.7万円の高値をつけました。ただ、8回や9回のような大幅アップは期待できそうにもありません。

    日経平均の構成銘柄に採用(3/15)や、今期から株主優待をやめ配当をするので今後に期待です。引き続き株価推移に注目です。(2005/3/28追加)

  4. 今回(10回)は今までと様相が違ってます。株価は、9回分割直後につけた117万円から徐々に下落し80万円の安値をつけ、分割発表の翌日は寄り天で111万円の高値をつけたものの、終値は前日比-3万円安の107万円となり、ほぼ前回分割後の理論価格(105万円)に近い株価で落ち着いてしまいました。

    ほぼ予想されていた分割であり、直前の上昇で、株価は既に織りこみ済みとみた利益確定売りが多かったためでしょうか。次回(おそらく2005年3月)までの株価推移に注目です。

    もしも2回連続、分割後の株価上昇がなければ、ヤフー神話は崩壊してしまうかも知れません。(2004/9/25追加)

[2] エッジのような大幅な分割銘柄への投資はタイミングが重要

分割の規模が1:2程度の場合にはそれほど大きな影響がないことが多いですが、1:10分割以上の銘柄は、権利落ち後から新株が株主の手許に届くまでの約2ヶ月間は要注意です。

  1. 大幅な株式分割を実施した銘柄を、分割権利落ち後、新株が株主の手許に届くまでの間に買ってしまうと、その後の需給の悪化により、結果的に思わぬ高値で買ってしまっていた、という事態になりかねません。

    あわてて買いを入れずに、株主の手許に新株が届くまで待ってから買っても遅くないでしょう。

  2. 今までの大幅分割銘柄の株価推移の傾向をみると、権利落ちからおよそ2~3週間後をピークに株価は下がり始め株主が新株を売却できるようになる頃には、急上昇のスタートの水準とほとんど同じ水準にまで戻ってしまいます。

  3. このような急上昇の原動力となっているのは、逃げ足の早い短期資金がほとんどで、この短期資金を操る投資家は、分割による新株が株主の手許に届いた後は、株主が新株を売却できる状態になるため、それまで良かった需給が一気に悪化するということを知っているからです。

[1] セブンイレブンやヤフーのような株をまだ小さい時に発見できれば大きな資産形成

銘柄 上場時期 上場株価 単位株 分割回数 分割後株数 資産価値 期間 倍率
セブンイレブン 1979年10月 180万円 1,000株 16回 38,000株 1億4500万円 25年 80倍
ヤフー 1997年11月 154万円 1株 8回 256株 3億1000万円 7年 200倍

(注)資産価値=2004年4月20日株価×分割後株数(配当金含まず)
新規公開株、株主優待については、こちらを参照して下さい。

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