MM指数による買い場・売り場の判断 ~ 相場のトレンド、強弱を読む
買い場・売り場の判断
- +MMIが-MMIを下から上に抜いたゴールデンクロス直後は買いの位置
- +MMIが-MMIを上から下に抜いたデッドクロス直後は売りの位置
- ボリンジャー中間線(移動平均線)が上昇基調で、-MMIがピークを示すときの直後は買いの絶好の位置
- ボリンジャー中間線(移動平均線)が下落基調で、+MMIがピークを示すときの直後は売りの絶好の位置
相場のセンチメント(市場心理)
- ゴールデンクロスからデッドクロスまでが上昇相場 → スタートで買い、天井で決済売り
- デッドクロスからゴールデンクロスまでが下落相場 → スタートで売り、底で買い戻し
- +MMIと-MMIが低位置で交錯するときは調整相場
MM指数とは、ボリンジャバンドの-2σ線を下にはみ出した銘柄数を-MMI(黒)、+2σ線の上にはみ出した銘柄数を+MMI(桃)とする指標で、-MMIは日経平均(青)の底で最大値を示し、+MMIは日経平均のピークで最大値を示します。
+MMIが-MMIを下から上に抜いた時点(ゴールデンクロス)、+MMIが-MMIを上から下に抜いた時点(デッドクロス)で相場のトレンドと転換点を、-MMIと+MMIの山谷の大きさで相場の強弱を判断をします。
買い銘柄の選択
- 買い銘柄の検索条件 株価<-2σ & RSI<30 & ADX>60
- クイック社の格付け平均値を見る。格付け平均値が1以上を選ぶ
- リターン・リスク比の大きいものを選ぶ
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買い銘柄の検索条件で東証1部の銘柄について検索ソフトで検索します。東証2部、ジャスダックは値動きに妥当性がなく不意打ちを食らう場合が多いので行いません。
買いの条件としては、RSIは25ですが検索段階では少し広げて30にします。同様にADXは75を60にします。
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この中からどの銘柄を仕込むかですが、クイック社提供の「クイックリサーチ」を見て、格付けの平均値が1以上のものを選びます。
銘柄によっては0.6位まで候補にします。格付けの平均値は10数社のアナリスト判断の平均値を取ったもので客観性があります。買いの程度を最高+2、売りの程度は最低-2とし、中間のゼロは売り買いの判断がニュートラルだとしたものです。
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このように検索した銘柄中でリターン・リスク比(Return Risk Ratio)による選択を行います。リターン・リスク比=リターン(利幅)÷リスク(損切り幅)の大きいものから選択します。つまりリスクは少ないが取れる利幅が大きいという選択です。
利幅と損切り幅の取り方
- ボリンジャーバンドの±2σと中間点(MA)との差を利幅とする
- 損切り幅は売買時に決めるストップロス幅にします
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どの値を持ってリターンあるいはリスクにするのかという点ですが、具体的には、ボリンジャーバンドの±2σと中間点(MA)との差をとればよいと思います。
ボリンジャーバンドの幅は拡大したり、収斂したりと、ある周期をもって繰り返します。注目銘柄のボリンジャーバンドの拡大・収縮の習性を知るのも重要です。この幅の広いものほど利幅が大きいことになります。
- リスクは売買時に決めるストップロス幅でよいと思います。買いの場合はボトム足、売りの場合はトップ足の長さになります。
チャート分析で精査~ボリンジャーバンドとRSI、DMI(ADX)、MACDの組み合わせ
- ボリンジャーバンドで-2σより下にはみ出したときが買い、+2σから上にはみ出したときが売りのサイン
- RSI(13日平均)で25以下を買い領域、75以上を売り領域
- ADX(1日平均)が75以上を売買領域
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MACDが、6ケ月スパンの日足チャートで最低(最高)の位置にあり、ゴールデン(デッド)クロス前の2本線乖離が最大のところが買い(売り)の点
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ボリンジャーバンドにおいて+2σから上にはみ出したときを「売り」、-2σより下にはみ出したときを「買い」のサインと判断します。
この判断はその日の終値で決めたらよいでしょう買い場、売り場は売買点ではありません。その中に売買点があるという領域のことです。
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RSIで25以下を買い領域、75以上を売り領域と判断します。
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ADXが75以上を売買領域とします。「その点にどの程度の勢いで達したか」を確認するためです。
加速度的に売買点に来たという証拠です。急速な転換点をつかむことは安全性の高いことを意味します。
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MACDが6ケ月スパンの日足チャートで最低の位置にあり、ゴールデンクロス前の2本線乖離が最大のところが買いの点、
またMACDが6ケ月スパンの日足チャートで最高の位置にあり、デッドクロス前の2本線乖離が最大のところを売りの点とします。
ボトム足、トップ足の確認
ボトム足とは、株価チャートの底で出た最安値を示したローソク足のことで、トップ足とはチャートの天井で出た最高値を示したローソク足のことです。
これを認識することが短期売買手法のキーポイントになります。つまりこれが確認されないと、いくら他の条件が満足しても売買しないというものです。売買参入には、この点の確認が絶対条件です。
- 前日の株価の高値を、当日上抜いたことをもって前日をボトム足と判断します
- ボトム足が出現した翌日(つまり当日)が買い参入点。買値はボトム足の高値に設定
- 売りの場面も考え方は同じです。トップ足を確認しその安値に売値を決めます
前日のものがボトム足だと判断するには以下の方法をとります。
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朝8時30分ごろからリアルタイム株価ボードで注目銘柄の株価の前気配値を見ます。9時に相場が始まる直前までこの気配値に注目していると、この銘柄は本日は高いのか安いのか目安がつきます
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ザラ場(市場が開いてる時間)に入って、下がりつつある株価の前日の高値を、当日上抜いたことをもってボトム足と判断します
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買い参入点は、ボトム足が出現した次の日にボトム足の高値に置きます。つまり次の日はボトム足の高値を上抜くことを確認すればいいのです
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しかし以上の判断が曖昧な状態もあります。そのような時はもう1~2日待ちます。ボトム足の高値を充分上抜くことを確認するのが重要です
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売りの場面も考え方は同じです。トップ足を確認し、その安値に売値を決めます
ストップロスの設定
- 買いの場合はボトム足の翌日ボトム足の高値で買い、その安値にストップロスレベルを設定
- 売りの場合はトップ足の翌日トップ足の安値で売り、その高値にストップロスレベルを設定
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株の売買に損失は付きものです。このようなときのリスク・テーキングの1つにストップロスがあります。
売買時にすでに失敗したときに許される損失を決めておき、それ以上の損失がでると理由の如何にかかわらずポジションを閉じるというものです。
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買いの場合は、ボトム足の出現を確認するのが基本でした。出現するとボトム足の翌日、ボトム足の高値で買い、その安値にストップロスレベルを機械的に設定します。
ザラ場を常に観測することができない人は、この機械的なストップロス設定と「逆指値」注文とを組み合わせるとよいと思います。
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ストップロスの設定には、機械的なものと心理的なものとがあります。
機械的なものとは、上記以外にも売買価格の2~4%位を損切りレベルと決めるなどです。機械的なものほどストップロスがかかる頻度が多くなりますが、心理的なものに比べて大損をしたりすることがないのが利点です。
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心理的なものとは、資金余裕度、取引経験、相場観、対象銘柄の値動きの特徴、などによってザラ場の間常に株価の動きを監視し、損切りレベルを自分で決めるものです。
機械的なものに比べて常に自分に厳しい戒律を課す必要があります。
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機械的なストップロスの設定で経験を積んだ後、機械的なものに心理的なものを加味するのがいいでしょう。
いずれにしても一旦決めたものはどのような理由があっても変更しません。
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売りの場合は、出現したトップ足の翌日、トップ足の安値で売り、その高値にストップロスレベルを設定します。
逆指値注文とは
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逆指値とは、株価が売買注文時から「指定の株価まで下落したら売り」「指定の株価まで上昇したら買い」とする注文形態のこと。
通常の指値注文と反対の形態であるため「逆指値注文」と呼ばれています。
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例えば、持ち株が値下がりしている時や、買ってすぐに「現在1,000円の銘柄が980円まで値下がりしたら売り」という逆指値注文で、損失拡大を防ぐ(=ストップロス)売り注文が出せます。
いわゆる”塩漬け”を回避して、効率的な運用が可能です。
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逆指値を取り扱う証券会社は限定されてます。
ボリンジャーバンドとMACDの組み合わせ(超短期売買)
短期売買には、2~3週から2~3ヶ月の短期と、2~3日から1~2週の超短期があります。
上に述べた手法は、2~3週から2~3ヶ月の短期売買に用いる手法ですが、2~3日から1~2週の超短期売買にはデイトレーディングに似たような手法をとります。
この両者はまったく異なる手法で立ち向かわなければなりませんが、共通して用いる手法はボリンジャーバンドです。この場合にはRSI、DMIを併用しません。ただMACDを使います。これは判断の補助に使います。
MACDとシグナルとの2つの曲線の差の拡大・縮小方向で以下の判断をします。
- プラス幅 : 拡大してるとき 上昇トレンド
縮小してきたら 天井が近い - マイナス幅: 拡大してるとき 下降トレンド
MM法によるテクニカル分析の基礎はこちらをご覧ください。
http://stock.kikuchisan.net/mmmethod1.html