MM法とは?
MM法は、60歳から株式投資を始め、試行錯誤ののち独自の実践的かつ科学的投資スタイルを確立した一個人シニア投資家・増田正美さんが開発された短期売買投資法で、
- ボリンジャバンドという相場のトレンドを把握する手法と
- 株価の動きは波動だと仮定する立場にたって考案された、RSI,DMI,MACDとの複合体です
短期売買には、2~3週から2~3ヶ月の短期と、2~3日から1~2週の超短期があります。この両者はまったく異なる手法で立ち向かわなければなりませんが、共通して用いる手法の主なものはボリンジャーバンドです。
そして、ボリンジャーバンドの精度を上げるためには各種の指標との併用が必要です。それぞれの指標単体では売買点を決めません。これらを組み合わせると確率性の高い売買シグナルを発信します。
注意する点は、
- MM法は「順張り」を前提とした手法であって「逆張り」をしない
- MM法では「押し目買い」はしない、「底で買い、天井で売る」手法をとります
MM法は「順張り」を前提とした手法であって「逆張り」をしないということを忘れないでください。MM条件を満足した銘柄でも、加速度的な上昇場面でのカラ売りは危険だと言うことになります。
また、MM法では「押し目買い」はしません。一旦下げた株が再び上がると言う保証はないためです。MM法では「底で買い、天井で売る」手法をとるのです。
トレンドを知らせるボリンジャーバンド
株価は「平均値±標準偏差の2倍」内で95%の確率で動く
- 偏差値の概念を用いている
- +2σと-2σの間に95.5%が入る
- +2σを出るものは高すぎ、-2σを出るものは安すぎ
- 外にはみ出したからといって、直ちに売り買いの信号ではない
ボリンジャーバンドは、標準偏差の概念をもちいた統計学応用の手法です。ある事象は、統計学上、±1σ内で68.3%、±2σ内で95.5%、±3σ内で99.7%の確率で起こります。だいたい、ほとんどの事象は±2σの範囲で収まります。
株価の分布においてもそうで、ほとんどの場合は±2σの範囲で動いていますが、上昇トレンドに入るとまれに+2σ以上にはみ出し、下降トレンドに入るとこれまたまれに-2σをはみ出します。
実際のボリンジャーバンドは、このσの移動平均をグラフ化したものです。ここで何日の平均をとるかが問題になりますが、20日平均を使います。
ボリンジャーバンドの売買のサイン
- +2σを出るものは高すぎなので「売り場」
- -2σを出るものは安すぎなので「買い場」
ですが、ボリンジャーバンドの外にはみ出したからといって、直ちに買い、売りの信号とは言えません。
それがゆえに、各種の指標と併用することが重要です。また、自分好みのパターンが現れないかぎり、売買しないというのも重要な技術です。
相場の相対的な強さを示すRSI
相場の強弱を表す指標
- 相場の相対的な強さを示す
- 75%を超えると「売り場」
- 25%以下だと「買い場」
- 逆張りに使えることがある
- 単体ではダマシが多い
RSI(Relative Strength Index:相体力指数)は、何日間かの株価の上昇幅の平均値(A)と、下降幅の平均値(B)から算出(=A/(A+B)×100)します。現在の相場の相対的な強さを判断する指数です。
この値は論理的には0~100%の間で動きます。どういう役に立つかとというと、その株が「買われ過ぎ」のときと「売られ過ぎ」のときにシグナルを出してくれるのです。
すなわち、100%に近づくと「買われ過ぎ」ですから「売り」のサイン、0%に近づくと「売られ過ぎ」ですから「買い」のサイン、と覚えておきましょう。
RSI(13日平均)の売買のサイン
- 75%を超えると「売り場」(売りを考えてよい局面)
- 25%以下だと「買い場」(買いを考えてよい局面)
となります。何日間の値をもとにするかですが、考案者は14日間の平均が最適だとしていますが、MM法では13日平均を採用します。
RSIのユニークな特徴(参考)
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RSIのユニークな特徴で、かつ一部に人気のある理由は、これが「逆行現象」の特徴をもっていることです。逆行現象というのは、株価チャートで移動平均線は上昇してるのに、RSIは下降してる現象です。
このようなときのこの逆行現象は、近い将来の下げを予測するわけです。移動平均線の「デッドクロス」(相場転換のサイン)より先んじて、RSIは相場転換のサインを出します。変化の激しい株の世界では重要なサインです。
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つまり、移動平均線は「順張り」のシグナルで、それに対してRSIは「逆張り」のシグナルとして使え、移動平均線よりかなり早いサインを出してくれる、というわけです。
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注意することは、このRSIは、ダマシ(偽のサイン)が多いように思います。また、過熱相場では、天井に張り付いたまま動かなくなったりします。
参考にすべき指標ですが、実戦では、ほかの指標と組み合わせて売買を判断すべきでしょう。
トレンドを知るには効果絶大のDMI
株価変動の加速度をあらわす指標
- 上昇あるいは下降のトレンドを示す
- そのトレンドの勢力も表す
- ADX75以上が売買領域
- 単体で売買を決定するものではない
DMI(Directinal Movement Index:方向性指数)は、株価の上昇ないし下降のトレンドの方向と、どの程度の勢いでどの方向に向かっているか(勢力)を示す指標です。
この指標は、次の3つの指数からなっています。グラフでもつねにこの3つが同時に描かれます。
- PDI:プラス方向性の指数(Plus Directional Indicator)
- MDI:マイナス方向性の指数(Minus Directional Indicator)
- ADX:平均的なトレンド指数(Average Directional Movement Indicator)
PDI(14日)は、簡単に言えば、その期間内に、株価がプラス方向にどの程度の確率で動いたか、を示すものです。
それに対してMDI(14日)は、マイナス方向のそれです。たとえば、PDIが0.3でMDIが0.4だとすると、その株は、プラス方向に30%、マイナス方向に40%向かっている、という意味です。
当然、株価が上昇するとPDIは上昇し、MDIは下降します。株価が下降する場合は、その逆です。
また、ADXは株価の勢い(物理学的に表現すると「モメンタムの加速度」)を表します。具体的には、PDIとMDIとの差(DX)を何日か平均したものです。
何日間の数値を採用するかの問題がありますが、考案者は14日を採用していますが、今日の激しい株価変動にフォローするため1日ないし5日を採用します
DMIの売買のサイン
- ADX(1日平均)75以上が売買領域
- PDIが下から上昇し、下降してきたMDIを抜いた点で「買い」
- PDIに抜かれたMDIが、さらに下降しADXとクロスする点が「1より安全な買い」
- MDIが下から上昇し、下降してきたPDIを抜いた点で「売り」
- PDIを抜いたMDIが、さらに上昇してADXとクロスする点が「3より安全な売り」
DMIは、一般に、相場のトレンドを読むためのものであり、売買のサインを読むものではない、とも言われます。これで売買は可能ですが、大きな利幅はあまり期待できません。
大きく儲けるには、そして、現在のような動きの早い株相場ではなおさら、もう少し早いサインがほしいところです。単体では売買に使わず、ほかの手法と組み合わせることで、大変効果的な武器になると思います。
買いと売りの領域が判るMACD
短期相場の強弱を表す指標
- MACDとは指数平準移動平均線の短期と長期の差を言う
- MACDとシグナルの2本カーブの交差を観察して、トレンドの転換を読む
- MACDとシグナルのカーブがクロスする直前の最大乖離を重要視する
MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method:移動平均・収束・拡散トレーディング法)は、簡単に言えば、移動平均線と同じ考えのものですが、平均値を取るのに単純平均でなく、指数平均を取るところが違います。
具体的には、MACDとは指数平準移動平均線(EMA)の短期(5日)と長期(20日)の差をいいます。このMACDとMACDの9日移動平均線(シグナルといいます)の、2本のカーブを描き、それぞれデットクロスしたりゴールデンクロスするのを観察して、トレンドの転換を判断します。
- MACD=EMA(5)-EMA(20)
- シグナル=MACDの9日移動平均線
- OSCI(乖離)=MACD-シグナル
MACDの売買のサイン
- MACDとシグナルの両カーブがクロスする直前の両カーブ間の乖離の最大点を重要視します
- その理由は、クロスする点より早く売買ができ、したがって利幅が取れるからです
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しかし、最大点は縮小して初めて判ることですから、そこで、MACDとシグナルの乖離が若干少なくなり、これではゴールデンクロス、あるいはデッドクロスしそうだと判断したところが”そのとき”です
- OSCIが大底圏で反騰(買サイン)
- OSCIが天井圏で反落(売サイン)
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もちろん他の指数を併用してリスクを軽減します
MM法による買い場・売り場の判断、買い銘柄の選択、利幅と損切り幅の取り方など、実戦テクニックはこちらをご覧ください。
http://stock.kikuchisan.net/mmmethod2.html